952(天暦6)年に崩御(宝算30)した第61代･朱雀天皇〔在位:930～946年〕の陵である。第60代･醍醐天皇の第十一皇子で諱は寛明、在位は930(延長8)年から946(天慶9)年の17年間。先に二代にわたる東宮(兄･保明親王とその子･慶頼王)の夭折があり、母后の藤原穏子は怨霊を恐れて、寛明親王を3歳になるまで幾重にも張られた几帳の中で育てたという。
　治世中には関東で平将門の乱、瀬戸内海で藤原純友の乱が起きている(承平天慶の乱)。このほかにも富士山の噴火や地震,洪水などの災害変異が多かった。また病弱のためか在位中には皇子女に恵まれなかった。24歳で村上天皇に譲位し太上天皇となる。952年に出家し仁和寺に入り、同年、30歳で崩御した。