源頼朝墓所の右奥の山腹に玉垣に囲まれた3っのやぐらの墓がある。中央が大江広元の墓である。1225(嘉禄元)年6月10日に亡くなったが、史料により没年齢が異なり、享年78歳とも83歳ともいわれる。
　広元の出自についても諸説あり詳細は不明。当初は中原姓を称し、大江姓に改めたのは晩年の1216(建保4)年に陸奥守に任官した以後のことである。広元の兄･中原親能が源頼朝と親しく、その縁で頼朝の拠る鎌倉へ下り公文所の別当となり、多方面で実務家として広く関与した。頼朝死後も北条政子や執権･北条義時と協調して幕政に参与し、北条氏の政権掌握に大きく貢献している。
　末裔についても三河国の酒井氏,因幡国の毛利氏,出雲国の多胡氏など、大江広元を祖とする家は多いが、真偽のほどは定かでない。