福住井之市城跡
ふくすみいのいちじょうあと(Fukusumi Inoichi Castle Ruins)
【C-NR042】探訪日:2025/3.30・5.8
奈良県天理市福住町
【MAP】
〔駐車場所〕
『大乗院日記目録』によれば、1481(文明13)年10月に越智氏,古市氏が山内衆を動員して山内新城を普請したとされ、福住井之市城に比定されている。1483(文明15)年8月7日、山内の有力国人で福住中定城の福住氏は古市氏と戦い、福住井之市城を奪い取り、居城を福住井之市城に移した。このため、福住中定城が古城、福住井之市城が新城とされている。
1570(元亀元)年6月に松永方に落とされたが、翌7月には奪回し、筒井順慶が入城していることから、以降は松永久秀に対する筒井方の重要な城として機能したと考えられている。中定城同様、井之市城も応仁の乱期と戦国期の二段階の改修が認められている。
城は標高559m,比高90ⅿの山頂に築かれ、南西に伸びた尾根に大きく三つの曲輪を並べて配した複郭式で、それぞれ堀切によって区画されている。主郭とⅡ郭(西の丸)の間には主郭の南にかけての空堀があり、障子堀のような空堀を区画する土塁が付いている。中央部が水堀だったともいわれている。Ⅱ郭にも南から西にかけて長い横堀が巡らされている。