築城年は定かではないが、室町時代に在地の国人衆の1人である平清水氏によって築かれた。北には集落を挟んで平清水北城があり、1543(天文12)年、国中に勢力拡大を図る筒井順昭との戦いで落城したという。南城は北城に比べ防御性は低く、館城と思われるため、ともに落城したと考えられる。
　南城は、東北に突き出た丘陵の中央を削り込んだ40m×24mの平場が主郭で、西北と東南の両辺に低土塁、東北と西南に高土塁がある。東北隅と西南の高土塁の頂部は曲輪となっていた。
　ただ、現在、城域には住居が建ち、土塁の一部も破壊されている。