帯解寺
おびとけでら(Obitoke-dera Temple)
【T-NR019】探訪日:2025/11.22
奈良県奈良市今市町734 <📲:0742-61-3861>
【MAP】
〔駐車場所〕参詣者用駐車場がある。
![]()
華厳宗の寺院。山号は子安山。安産祈願の寺として知られる。
寺伝では、元は霊松庵といい、空海の師である勤操大徳によって開かれた巌渕千坊(巌渕寺の塔頭)の一つであったという。長らく世継ぎに恵まれなかった文徳天皇后の染殿皇后(藤原明子)が当寺にて祈願したところ、惟仁親王(後の清和天皇)が生まれたことから、858(天安2)年春、文徳天皇の勅願により伽藍が建立され、勅命により「無事に腹帯が解けて安産できた寺」として帯解寺と名乗るようになったという。以来、安産・子授け祈願の寺として朝野を問わず篤い信仰を集めるようになった。
江戸時代には、江戸幕府第2代将軍・徳川秀忠の正室・江が当寺で安産を祈願して竹千代(徳川家光)を出産している。続いて第3代将軍となった家光に世継ぎがなく、側室のお楽の方が当寺にて祈願したところ竹千代(徳川家綱)を安産した。その折、種々の瑞祥があり、家光は瑞祥記を当寺に下賜して仏像仏具等を寄進した。1663(寛文3)年には第4代将軍となった家綱より手水鉢の寄進があった。
20世紀以降も上皇后美智子,皇后雅子,秋篠宮妃紀子などの皇族が当寺において安産祈願を行っている。