高根(久頭合)城跡

たかね(くずごう)じょうあと (Takane[Kuzugo] Castle Ruins)

【C-SZ056】探訪日:2020/10/29

【C-SZ056】高根(久頭合)城跡 静岡県浜松市天竜区水窪町地頭方184

【MAP】

〔駐車場所〕 高根城公園のさらに上にも駐車スペースがある。

【C-SZ056】高根(久頭合)城跡

   久頭郷城,久頭合城ともいう。1414(応永21)年、後醍醐天皇の皇子・宗良親王の子である尹良親王を守るために地元豪族の奥山金吾正定則が九頭合の山頂標高420mに築いたとされ、水窪川対岸には親王のための仮宮が建てられた。奥山定則は奥山方広寺を開創した奥山朝藤の子である。また、尹良親王は宗良親王と彼が一時期滞在していた浜名湖北の井伊道政の娘(重子:駿河姫)と間に生まれた皇子とされるが、実在を含めて疑問視されている。井伊の城が次々と落とされ、この地へと逃れてきたとしても滞在期間はそう長くはないと考えられる。
 奥山氏は駿河の今川氏に属し、天野氏と争いながら北遠江での勢力を拡大していく。しかし、永禄年間(1558~70年)に今川氏が凋落すると、今川,徳川,武田への帰属を巡り内部紛争が起こり自滅していく。定則の後、良茂ー定之と続き、定之の息子たちである長男・民部少輔貞益(良茂)が高根城主、二男・美濃守定茂が水巻城主、三男・加賀守定吉が大洞若子城主、四男・兵部丞定友が小川城主となるが、一説には定茂の陰謀で1569(永禄12)年に信州遠山の遠山遠江守,土佐守父子によって攻められて各城が落城した。
 落城後には武田方により大改修が行われ、1572(元亀3)年の遠江侵攻においては武田軍の中継拠点となった。現在の縄張は武田氏によるものとされる。1582(天正10)年、武田氏が滅びると高根城も廃城となった。
 城は三方が急斜面な山の先端に築かれ、近くで河内川と水窪川に合流するがこれを自然の堀として利用している。2001(平成13)年に発掘調査をもとに、本曲輪部分に井楼櫓,主殿,城門などが復元された。この地域には内裏や御旗が掲げられたところを御旗として、今でも大里,小畑の地名が残されている。また、高根城落城の際の貞益の奥方「おくわ御前」に関わる伝説も遠州七不思議の一つとして伝えられている。

【史跡規模】

【指 定】浜松市指定史跡(1982年2月16日指定)
【国 宝】
【国重文】

関連時代 室町時代 戦国時代
関連年号 1414年 1569年・1572年・1582年
関連人物 系図 関連人物 系図 関連人物 系図
尹良親王 K501 奥山定則 F450 奥山朝藤 F450
井伊道政 F441 井伊重子(駿河姫) F441 奥山良茂 F450
奥山定之 F450 奥山貞益(良茂) F450 奥山定茂 F450
奥山定吉 F450 奥山定友 F450 遠山遠江守 F***
遠山土佐守 F*** おくわ御前 ****

 

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 井楼櫓や二の曲輪の梯子は上ることができなかったが、地方豪族の山城の雰囲気を十分堪能することができる。特に二重堀切は圧巻である。

 

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▲登り口

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▲大手門近傍からの眺望(水窪町)

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▲大手門(復元)

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▲大手門(復元)

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▲本曲輪

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▲大手門(復元)

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▲本曲輪

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▲井楼櫓(復元)

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▲本曲輪の土塁

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▲搦手門

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▲梯子の上が二の曲輪

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▲本曲輪下の段の城門と柵(復元)

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▲木橋(復元)

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▲堀切と土橋

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▲堀切

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▲三の曲輪

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▲三の曲輪から見た二の曲輪

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▲二重堀切(中央は土塁)

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▲堀切

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▲堀切

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▲二重堀切

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▲二重堀切

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▲城の南端(城外)