1527(大永7)年に荒川甲斐守義広が築いたとされる。義広は東条城の吉良持清の次男として生まれたが、本家家督は兄の持広が継いだため、吉良氏から独立して戸ヶ崎氏から分流した荒川氏を継いだ。1561(永禄4)年、松平元康が吉良義昭と戦ったときには、本家を裏切り松平方に味方して功をたて、元康の異母妹の市場姫を妻とした。しかし、三河一向一揆では一揆方に与して松平方と戦い敗北し、1564(永禄7)年には荒川城も落城した。
　荒川城は西尾市立八ツ面小学校の北東側一帯に築かれていたとされ、複数の城館が集まった城と言われており、集落内の各所に土塁や盛り土,水路の跡などを見ることができる。