築城年代は定かではないが、長禄年間(1457～60年)に田原城主の戸田宗光によって築かれたとされる。城主は、宗光の子･戸田憲光から繁光,守光へと続く。守光は緒川城主･水野信元の女を娶り、1589(天正17)年の小田原北条攻めで討死した。この知らせを聞いた領民は、理由は定かでないが河和城を攻めて破壊した。守光の妻と嫡子･光康は親戚である於大の方を頼って江戸に落ち、その後、母方の水野姓を名乗り、関ヶ原の戦い後に河和へ戻り尾張徳川家に仕えて河和城の北東に屋敷を構えて住んだという。
　城は新江川の南岸の標高36mの北西に延びる丘陵の先端に築かれ、海岸から約700m内陸にある。主郭は山頂の南端にあり広大で北と西に土塁が残り、東と南は切岸となっている。主郭の西側と南側に曲輪群が配されている。主郭北の土塁はやや幅広で西端に櫓台が残っている。主郭の北下には幅広の横堀が巡り西側に続いている。