築城年は定かではないが、1562(永禄5)年、武田方に属していた後藤九朗左衛門善心は今川氏真の命を受けた渡辺平内次によって居城であった白鳥山城を攻め落とされ、その後、津具城を築いたとされる。しかし、1569(永禄12)年には徳川方の作手奥平貞能,名倉寺脇城の奥平信光の攻撃を受け落城した。このとき善心と長男,次男は戦死し、3男の政芳は城を脱出し信濃国へ逃れ津具城は廃城となった。
　城は城の腰と呼ばれる標高770ｍ,比高80ｍの山頂部に築かれ、北西から北二の曲輪,本曲輪,南二の曲輪と並び、四方に帯曲輪を配する。また、堀切,竪堀,空堀を多用し防御性を高めている。