築城年は定かではないが、井伊道政が三岳城の支城として築いた千頭峯城の見張所として配された砦と考えられる。1338(延元3/暦応元)年、井伊道政は南朝方･後醍醐天皇の皇子･宗良親王を井伊谷に迎えた三岳城を本城とし、猪鼻湖北岸の山塊一帯に中千頭砦,鯉山砦など尾根続きの要所の峠に曲輪を整備し、その数は確認されただけでも十数ヶ所に及ぶ。ここもそのひとつと数えられる。鯉山砦同様、本坂峠,宇利峠方面や猪鼻湖全体と浜名湖西岸を監視できる要所である。
　1339(延元4/暦応2)年の北朝方の高師兼らの猛攻による千頭峯城の陥落とともに消滅したと考えられる。
　三ヶ日高山ふれあいの森展望台(ここも見張所のひとつ)から約400ⅿほど南下したところの山頂に位置し、途中に大堀切を有する。