春日大社
かすがたいしゃ(Kasugataisha Shrine)
【S-NR008】探訪日:1995/3.28・2025/12.13
奈良県奈良市春日野町160 <📲:0742-22-7788>
【MAP】
〔駐車場所〕
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社伝では、768(神護景雲2)年に平城京の守護と国民の繁栄を祈願するために、藤原永手が鹿島の武甕槌命,香取の経津主命と、枚岡神社に祀られていた天児屋根命・比売神を併せ、御蓋山の麓の四殿の社殿を造営したのをもって春日社の創祀としている。中臣氏・藤原氏の氏神を祀る。主祭神の武甕槌命が白鹿に乗ってきたとされることから、鹿を神使とする。
藤原氏の隆盛とともに当社も隆盛し、平安時代初期には官祭が行われるようになった。当社の例祭である春日祭は、賀茂神社の葵祭、石清水八幡宮の石清水祭とともに三勅祭の一つとされる。
藤原氏の氏神・氏寺の関係から興福寺との関係が深く、813(弘仁4)年に藤原冬嗣が興福寺に南円堂を建立した際、その本尊の不空羂索観音は、春日社の第一殿の祭神・武甕槌命の本地仏であるとされた。神仏習合が進むにつれて春日社と興福寺は一体のものとなっていくと、春日大明神は法相擁護の神とされ、947(天暦元)年からは神前読経が始められた。なお、神前読経は当初は興福寺の僧だけではなく東大寺の子院・東南院の僧も行っていた。ただし、僧は本殿がある内院には入れなかった。
11世紀末から興福寺衆徒らによる強訴がたびたび行われるようになったが、その手段として、春日社の神霊を移した榊の木(神木)を奉じて上洛する「神木動座」があった。この頃には春日社と興福寺と合わせて「春日興福寺」と称せられるようになっていった。そして、第一殿・武甕槌命の本地仏は不空羂索観音、第二殿・経津主命の本地仏は薬師如来、第三殿・天児屋根命の本地仏は地蔵菩薩、第四殿・比売神の本地仏は十一面観音、若宮社・天押雲根命の本地仏は文殊菩薩とされるようになる。
興福寺と一体化した結果、1116(永久4)年3月6日には関白・藤原忠実によって回廊に囲まれた五重塔が、次いで1140(保延6)年10月29日には鳥羽上皇によって回廊に囲まれた裳階付きの五重塔が建立された。それぞれ「殿下の御塔」,「院の御塔」と呼ばれた。両塔は1181(治承4)年12月28日の平重衡による南都焼討で焼失し、その後の再建後は、1411(応永18)年閏10月15日の雷火で再び焼失し、以後は再建されなかった。
春日信仰は貴族だけではなく武家や町人からも厚い信仰を受けた。その際、信者が良く燈籠を寄進したために春日大社は日本でいちばん燈籠が多くある神社となっている。その数は石燈籠が約2,000基、釣燈籠が約1,000基である。中でも全国にある室町時代の石燈籠のうちの7割は春日大社のものである。
戦国時代になると、興福寺と春日社の威勢はすこぶる衰えていった。1580(天正8)年には春日社は1,400石の石高しかなくなっていた。1595(文禄4)年、春日社は豊臣秀吉により大和国添上郡大柳生,東九条,中城,大江に3,206石の所領を認められた。江戸時代には、幕府によって1617(元和3)年に興福寺と春日社は両方足して2万1,119石の石高のみ認められた。
1868(慶応4)年に出された神仏分離令により、春日社と一体の信仰・神仏習合が行われていた興福寺は大きな打撃をこうむる。春日社の中にあった興福寺関連の建物は名称を変更されて使用されたり破却処分にされたりし、仏像仏具の一切は撤去され徹底的に仏教色は排除されていき、完全に春日社は興福寺と分離された。
1946(昭和21)年12月、近代社格制度の廃止に伴い、このままでは単に「春日神社」となってしまい、他の多くの春日神社と混同されてしまうため、社名を「春日大社」に改称している。
本殿は春日造で4棟並んで建っている(国宝)。拝殿はなく、一般参拝は幣殿から行う。いずれも1863(文久3)年に再建されている。創建以来ほぼ20年に一度、本殿の位置を変えずに建て替えもしくは修復を行い御神宝の新調を行う「式年造替」を行ってきており、2015(平成27)年からの式年造替は第60次となる。
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【史跡規模】
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【指 定】・国指定史跡:春日大社境内(1985年3月18日指定) sssss・世界遺産:古都奈良の文化財の1つ(1998年12月2日登録) 【国 宝】・本殿4棟(附:透塀,内鳥居,瑞垣) sssss・金地螺鈿毛抜形太刀sssss・沃懸地獅子文毛抜形太刀 sssss・本宮御料古神宝類sss・若宮御料古神宝類sss・鼉太鼓一対 【国重文】・本社 23棟(中門,東御廊,西及び北御廊,捻廊,幣殿,直会殿 他) |
| 関連時代 | 奈良時代 | 平安時代:前期 | 平安時代:後期 |
| 関連年号 | 768年 | 813年 | 11161年・1140年・1181年 |
| 関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 |
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| 藤原永手 | 藤原冬嗣 | F401 | 藤原忠実 | F702 |
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