三陵墓西古墳〔三陵墓古墳群〕

さんりょうぼにしこふん(さんりょうぼこふんぐん)(Sanryobo-West Kofun Tumulus [Sanryobo Kofun Tumulus Cluster])

【K-NR201】探訪日:2025/5.8

【K-NR201】三陵墓西古墳 奈良県奈良市都祁南之庄町1024

【MAP】

〔駐車場所〕三陵墓西古墳の西側に駐車場がある。

   都祁盆地の都介野岳から北に延びる小丘陵上に営造された、前方後円墳1基(東古墳),円墳2基(西古墳・南古墳)の計3基から構成される三陵墓古墳群に属する。
 西古墳は古墳群のうち西に位置する円墳。直径約40m,高さ約5m,墳頂部の直径約16mを測る。墳丘は1段築成で、墳丘外表には葺石のほか、円筒埴輪列(朝顔形埴輪含む)が認められる。
 埋葬施設としては2基が検出されている。初葬の第1主体部は墳頂中央部、南北方向で、割竹形木棺粘土槨である。木棺は長さ8.35m,南小口幅1.20m,北小口幅0.95mを測り、棺床には赤色顔料(ベンガラ)を散布されていた。南頭位と推定される。木棺を埋納する墓壙は隅丸長方形で長さ13m,幅5.6m,深さ約1.5mを測る。出土遺物としては、棺内に鉄剣5・鉇2・鉄鑿1・鉄斧4・鉄鎌7・滑石製臼玉・琴柱形石製品8・碧玉製管玉・竪櫛多数が、棺外には鉄鏃群・鉄剣6・直刀9・鉄鉾1がある。
 また、追葬の第2主体部は第1主体部の東側にあり、組合式木棺直葬であった。木棺は長さ4.17m,南小口幅0.67m,北小口幅0.61mを測る。埋葬は南頭位で棺内面には全面に赤色顔料(ベンガラ)が塗られていた。木棺を埋納する墓壙は隅丸長方形で長さ5.5m,幅2メートルを測る。出土遺物のうち、棺内遺物としては臼玉108・竪櫛89・鉄鏃8・漆塗り靫1が、棺外遺物としては漆塗り盾1・鉄槍1・円礫1・鉄刀子2・鉇2・鉄鑿1がある。副葬品には、竪櫛が多量に認められる。
 築造時期は第1主体部が古墳時代中期の5世紀前半頃、第2主体部が5世紀中葉頃と推定され、東古墳に先行する首長墓に位置づけられ、『古事記』『日本書紀』に見える都祁直,闘鶏国造との関連性が指摘されている。

【史跡規模】

【指 定】奈良県指定史跡(1996年3月22日指定)

【国 宝】

【国重文】

関連時代 古墳時代:中期
関連年号 5世紀前半・5世紀中葉
関連人物 系図 関連人物 系図 関連人物 系図
都祁直 **** 闘鶏国造 ****

 

【K-NR201】三陵墓西古墳
 

 

【K-NR201】三陵墓西古墳

 

三陵墓古墳群(Googleマップ航空写真に加筆)

【K-NR201】三陵墓西古墳 ※本サイトの写真は転用可です(画像をピックすると拡大、コメント表示されます)

墳頂 2つの主体部を表す ここから東古墳へ行ける