築城年代は定かではないが、大永年間(1521～28年)に尾藤源内重吉によって築かれたとされる。尾藤氏は信濃国守護小笠原家に仕えていたが、武田信玄の侵攻によって信濃を離れ、織田信長に仕えて重吉城を築いたという。しかし、永禄年間(1558～70年)には、信長によって重吉城は落ち、重吉はこの地を追われて三河国の奥平信昌に仕え、三河国見代で武田勢と戦って討死したという。また、1570(元亀元)年、重吉の子あるいは弟とされる尾藤又八重房は森可成に従って近江国宇佐山城に籠もり朝倉･浅井連合軍と戦って討死した。また、重吉の子の尾藤知宣は羽柴秀吉に仕えた。
　1584(天正12)年の小牧長久手の戦いの際には、重吉城は小折城とともに徳川家康･織田信雄方の小牧山城の付城として機能していたという。　城は丹陽中学校の南側に築かれていたとされ、現在は石碑が建つのみで遺構は残されていない。