築城年は定かではない。東を除く三方を巴川が大きく囲うように蛇行する地点にある標高460ｍ,比高60ｍの通称｢城山｣に築かれている。川合小兵衛の居城とされるが、平時は山麓に住み、有事に羽布城へ入ったとされる。1571(元亀2)年に田代城，大沼城とともに武田軍に攻められて落城となる。
　羽布城は東の峠に対して備えた城で、主郭部は不整形で緩斜面地形となる。主郭の東側に南北に長く空堀があり、南は鈎状に屈折して南側面へと延び最後は竪堀として落ちる。ここから少し離れた東尾根にも南北に遮断する空堀がある。